ある日の幸せ。

朗読が上手な尊敬すべき先輩がいます。
たまにお宅にお邪魔し、本を読んでとせがみます。

耳から入ってくる言葉の数々が
頭の中でどんどん映像化されていく。
先輩は声の力だけで
私に物語を見せてくれます。

どうしたらそんなに上手く伝えられるの?

私の問いに先輩はこう言いました。

「物語の色を見せてあげようと思うの。
 物語が持つ色と声のトーンを合わせるの。」

その時先輩が伝えたかった色はグレーがかった青。
私が思い浮かべたのも同じ色でした。

近づきたい人がすぐそばにいる。
こんな幸せなことはないわー。